中学校で英語を教える中で、ALT(ネイティブの講師)の発音と、生徒の反応から、改めて英語教育のむずかしさを感じた出来事がありました。
聞こえたまま言うことへの戸惑い
「Singapore」という単語をALTが自然に発音したとき、生徒たちはそれを聞いたうえで「シンガポール」と言い直しました。
それは間違いではありません。でも、ALTの発音をそのままマネすることへの“遠慮”が感じられたのです。
正解を探す教育文化の中で
多くの生徒は「正しい読み方」「知っている発音」を優先しがちです。これは恥ずかしさや間違えたくないという気持ちから来る、ごく自然な反応なのだと思います。
「自分の英語で話していい」
私は、そんな生徒たちにこそ伝えたいと思います。
Good try, でも本当にそう聞こえた?
聞こえた通りに真似してみようよ。」
英語は、誰かの真似ではなく「自分の気持ちを伝える旅」。
それはわかったうえで、それでも通じる英語を教えたいのです。
これからも私は、その旅のはじめの一歩を支える存在でありたいと思います。